2月22日(土)竹風堂大門ホールにて行いました 温井恵里香 ソプラノ・リサイタル
「黎明」
おかげさまをもちまして無事に終了することができました。
イタリア歌曲およびオペラを勉強してきた私ですが、いつか「日本歌曲」を歌いたいという 秘めた想いがありました。
ようやくこの度日本歌曲チクルス(独語:一連の意)の リサイタルとして準備していた最中、
故郷長野が台風で甚大な被害を受けたと知り、大変心が痛みました。
ここにあらためて 被災された皆様にお見舞い申し上げますとともに
復興にご尽力されている多くの皆様に、心より敬意を表します。
リサイタルの取り止めも考えた時期がありましたが、
詩人、八木重吉が「時として詩作さえも罪悪だと考える」と告白しながら
「詩をつくることをすててしまふなら/あまりにすきだらけのうつろすぎるわたしのせかいだもの」
「歯をくひしばって泣くまいとしてうたをうたふ」
と書いた作品が、私の心に深く刺さりました。
幼少のころから詩というものが身近にあり、折に触れ、そのいく篇の詩に励まされ、 救われたこと、
同時に音楽にも癒され、勇気づけられた数々の経験から、
「日本歌曲」を歌いたい、という想いにいたったのは、 必然的な帰結であったように思います。
詩人達の苦しみや悲しみ、個人的な言葉が詩になり、詩集となります。
そして作曲家がその詩集の中から幾つかを選び、曲をつけたものが歌曲集です。
もちろん一曲一曲も素晴らしいので、歌曲集の中から抜粋されたものを お聴きになることが多いかと思います。
しかし、 今回は歌曲集の世界観を是非お伝えしたく、チクルスとして皆様にお届けいたしました。
今日、合唱、独唱問わず、コンサートやテレビで
日本歌曲がこぞって歌われているのを、皆様もご存知のことと思います。
それもご指導いただきました岩河智子先生をはじめ、
今回ご紹介させていただきました作曲家の方々他のご功績の賜であると感じております。
又、ピアニストの高崎繭子さんには、急な依頼を申し上げたにも関わらず、
素晴らしい演奏で私のイマジネーションを引き出して下さり、
建設的にご協力
下さいましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。
最後になりますが、お越し下さいました皆様には厚く御礼申し上げますと共に、
今後とも音楽に触れて頂き、是非コンサートにもお足をお運びくださいますようお願い申し上げます。
本当にありがとうございました。
コメントをお書きください